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2015年4月20日月曜日

劇場版ドラゴンボールZ「復活のF」はちびっこの娯楽アクション大作

はい、ドラゴンボールZ「復活のF」観てきましたー。感想を先にいうと面白かった。



劇場版『ドラゴンボールZ 復活の「F」』

前作「ドラゴンボールZ 神と神」よりもアクションシーンを多くとってひたすら派手にドンパチやってました。
ちびっこが望む「ドラゴンボール」をちびっこフレンドリーにシンプルにつくっているな、という印象です。



あらすじ

フリーザ軍の残党ソルベがドラゴンボールを使ってフリーザを復活させる。フリーザは悟空への復讐を果たすため生まれて初めてのトレーニングを積み、「ゴールデンフリーザ」となって挑む。

よかったとこ

・ストーリーがシンプル

要約すると「フリーザ復活、悟空とベジータが迎え撃つ!」と一行だけで表せる内容です。

鳥山明先生がおまけマンガの冒頭で解説しているとおり「復活のF」のFはフリーザであり、マキシマムザホルモン「F」にも由来しています。やったね亮君!



・アクションシーンが爽快

おまけでついてた非売品解説本で鳥山明先生も書いているとおり、前作「ドラゴンボールZ 神と神」で少なかったアクションシーンが今回は増え、「スカっと爽快!」な映画になってます。というかアクションシーン9割。



ゴキブリみたいに宇宙船からウヨウヨ沸き上がってくるフリーザ軍VSと地球防衛軍(ピッコロ、クリリン、悟飯、亀仙人、天津飯、銀河パトロールジャコ)の対戦が見もの。

3D演出もあってのことだろうけど海ドッパーン!岩ガッシャーン!深海魚グワーン!みたいな、ちびっこが飽きない工夫のある「ワクワク」戦闘シーンに仕上がってました。

てか、ヤムチャは餃子とともに戦力外通告…!(泣)

・フリーザのキャラが立ってる

フリーザといえばDB史上最強最悪でキャラ立ちまくりの悪役として全世界に知れ渡っているんですがこの映画では声優さんが特に頑張っててキャラびんびんでした。「キエエエエエエエエーーーイイィィ!!」の数を数えたい。

ラストも正々堂々なんてクソ無視で大変すがすがしい。

アニマックスのドラゴンボールGTから知ったりカードバトルでブロリーは知ってるけどフリーザはあんま知らない、というちびっこのためか、冒頭で「フリーザって仲間も平気で殺しちゃうくらい冷酷・残虐で恐れられてるヤツ」ってのをセリフ以外で描写しててなるほどの心配りでした。

・キャラの萌えどころがたくさん

戦地に向かうクリリンを見送るとき、「カッコイイ…」って思わずつぶやいちゃう18号(クリリンより全然強いのに)!

子どもが生まれて(ドラゴンボールZ 神と神 - Wikipedia参照)平和ボケしちゃって休日メガネジャージ姿のまま戦闘に参加する悟飯(道着どこにしまったか忘れた)!

そんな悟飯の子どもをしぶしぶあやすピッコロ(夕飯は一緒に食べてるらしいぞ)!

ビルス様のとこから瞬間移動で帰ってこなきゃいけなくてしぶしぶ悟空と手をつなぐベジータ(腐女子層へのサービスなのか)!


・ジャコくん可愛い

「銀河パトロールジャコ」のジャコくんも友情出演、戦闘に参加するんだけどひょうひょうとしてて可愛い。

「銀河パトロールジャコ」自体はDBの前日譚として悟空の父ちゃんの話とかサイヤ人の話とか描いてるみたいなので読まないとですね(思うツボ)。




あえていうなら


・ストーリーがシンプル過ぎ

たぶんつまらないと言っている人はストーリーがシンプルすぎることに腹を立てているんだと思います。

映画の対象年齢は観た感じ幼稚園年長〜小学3年くらいまでの男子。

コンビニの玩具菓子コーナーやショッピングモールのゲームセンターを見てもらうとわかると思うんだけど、今ちょうどドラゴンボールのカードバトルがこの年代の間で大流行していて、そこをメインターゲットを定めたのかなと。あとその父親。

・フリーザが弱い

フリーザせっかく金の玉ゴールデンになって復活してきたのにかませ犬状態でした。悟空とベジータが強くなりすぎた。
フリーザとの対決以上に「自分との闘い」みたいなのが後半あったかな。

・ウエスなあ

今作「復活のF」では破壊神ビルス様の付き人であり師匠「ウエス」とその能力がちょこっとキーになってるんだけどまさかラストの伏線で使われるとは。

「ザ・ワールド」時を操る能力は最強最強ウウウウ!!


・野沢雅子はもう声がきついかもしれんなあ

高音が出ずに、滑舌もちょっと気になる。もう78なんだなあ。
それでも現役なのはすごい。


おまけ

映画館会場から出たらほぼ全員が幼稚園年長〜小学2年くらいの男子とその父親、そして留学生男子たちでした。
留学生たちは見終わったあと熱狂的に身振り手振りで「Yeah!」「Yeahhhhhh!!!!」言いながら感想いいあってるのが微笑ましかったw


うちと同様、これが映画館デビューになるちびっこもいるんでしょう。いい思い出になるといいね。



おまけその1
非売品の鳥山明先生の映画キャラデザイン&脚本
絵柄が可愛くなってる。

おまけその2
EDをうたうももいろクローバーZのポストカード
一番右すごい。





2014年12月30日火曜日

これから大事なひとをなくす(かもしれない)すべての人へ−朔ユキ蔵「お慕い申し上げます」完結6巻(と、私)


卯野です。泣いてる。今これ書くために3回め開いたけどその都度泣くよ。なんだこれ。
今年に家族の死を迎えたばかりなのでかなり主観的に読んでしまった感はある。
「出会うべきときに本に出会う」ってのを久々に感じた1冊でした。
以下コミックス内容への言及を含みますのでご注意ください。




ざくっとあらすじ

主人公は主に3人。妻帯して在家の寺の存続を守るか、戒律に従い生涯独身を貫くかで悩む跡取り坊主、清玄(せいげん:6巻右側)。清玄の同級生で自ら仏門に入った清徹(せいてつ:6巻左)。清玄のもとへお見合い相手として訪れるが、自らの妬みや恨みの心に悩まされ仏門へ興味を示す節子(せつこ)。
清徹の病に始まり、それぞれの生老病苦をどう受けとめ、受け入れていくかの物語。


感想

心に残ったシーン、言葉を箇条書きで。

・生老病苦で人と成る


この身を裂くような苦しみをどうすれば・・・
清玄が清徹の通夜の読経へとむかうにあたり心が定まらず、祖父の峰博へ訪ねるシーン。

そして清玄は檀家ほか弔問客に向けて「生老病苦で人と成る」と話す。
人が逃れることのできないものに生、病、老、苦があるとして、人はその4つを経ながら人になり、愛する人に先立たれ人となり、そして自らの死を迎えて人となる。

家族の死を迎えたばかりの私にとっては苦しみを追体験し、またそれを救われるシーン&言葉でもあった。



・石が生み出す「波紋」をどう受けとめるか


峰博じいちゃん(ボケちゃう)の亡くなる間際のシーン。
人と関わること、またその生き死には個人の心に向かって投げ込まれる石のようなもので、石が生み出す波紋があるだけ「とても豊かじゃ」と峰博おじいちゃん。
人は皆生きて亡くなる。その事実から耳目をふさぐのではなく、石の波紋を受けて自分の僧形がどう形作られるか。
うん、これからちょっとだけ受け入れやすくなるかも。




・掲載誌休刊とは関係なく6巻できれいにまとまったラスト


連載してた「ジャンプ改」が休刊になったけど多分それは影響なく、最初から構想通りのプロット進行だったかと思う。清徹の死がテーマの中心で5巻ラストでもう死が決定してたので、むしろ6巻内できっちり綺麗にまとめててすごい、と思った。



・人間描写、仏教、ともにすべてを描ききってはいない


の割に6巻後半ちょっと駆け足な印象を受けたのは清玄のお母さん(とお父さんの関係)、節子がどう自分の中の妬みそねみを克服して前を向くかが1話ずつコンパクトにまとめられたからかな〜。
仏教の考え方について気になる人はぐぐったり他のもうちょっと入り込んだ入門書を手にとってみてね。「宗教」と考えずに、セルフセラピーみたいな感じで触れてもいいと思います。


小池龍之介さんのほうが読みやすいかな。


・ラストせつねぇえええええええええええええええええ


ラストの終わり方は「天晴!!!!!!」「ええええええええこの終わり方かよおおおああああああああ」の2つの思いが入り混じってます。
無常ナリ。




総括

生きること死ぬことについて、説教くさくなく楽しみながら考えられる良いマンガでした。ちょっと今苦しいかな、とか、自分の中の波紋を振り返りたい人にはオススメです。


参考リンク

とても参考になりましたm(_ _)m↓↓

朔ユキ蔵『お慕い申し上げます』第6巻(完結)について|ぶり返したオタク

5巻についての感想はこちら

「お慕い申し上げます」5巻 −心も無常、呪いもまた無常 - nerumae


2014年12月23日火曜日

「持たざるメガネの成長」が楽しみ、なのだけどー「ワールドトリガー」葦原大介


髪切ってスッキリ、卯野です。カットしてるあいだに既刊8巻までコミックス読了しましたので感想ざくっとログ。
私的総論をさきにいうと「これアニメのほうが面白いんじゃないかな」です。



あらすじ


舞台は「近界民(ネイバー)」と呼ばれる異世界の生命体によって以前壊滅的被害を受けた日本・三門(みかど)市。人類は、「ボーダー」と呼ばれる対ネイバー対策機関によってたびたび襲撃に現れるネイバーから守られていた。

そのC旧隊員でとびきり弱いが正義感の強い主人公、三雲 修(みくも おさむ)は、不思議かつ圧倒的な力でネイバーを倒す白い髪の少年、空閑 遊真(くが ゆうま)と出会う。実は彼は異世界から来たネイバーだった。

遊真は自分の目的のためにも修、そしてボーダーに協力し、ネイバーからの「侵略」に対抗する。



ざくっと雑感

・広大かつよく練られた世界観

SFものなんだけど近界民(ネイバー)、トリガー、惑星国家、戦闘・武器のルール、キャラクターのひとりひとりに至るまで細かいとこまでよく設定してるなーって感じる。
戦闘上のトリガーの相性とかHUNTER×HUNTER、東京喰種なんかに似てるね。


・オサム+ユーマ=正統派ジャンプの主人公

ストーリー展開はオサム6、ユーマ4くらいの主人公比率。
ユーマは異世界人で向こうで「毎日戦争してた」というだけあって、最初から最強無敵のフルスペック設定。
対してオサムは先輩から「持たざるメガネ」と称される通りクソ弱いフツーの人。でも正義感が強くまっすぐで、自分の弱さを自覚して学習しながら強くなるタイプなので、読者が感情移入しやすいとしたらオサムですね。
お互いが交流のなかでどう変わっていくかも見もの。

ちなみに作者さんいわく「自分はこの物語は第1話の扉絵の4人全員が主人公だと思ってる」だそうです。
4人は先に紹介したユーマとオサムの他、生まれつき膨大な量のトリガーを持つ「雨取 千佳(あまとり ちか)」と自己肯定力が異様に高く「予知能力」をもつ迅 悠一(じん ゆういち)。


・腕や首はフッ飛ぶけどマイルド

最近流行りらしい(?)残虐描写、このマンガも腕や首ふつーにフッ飛んだり輪切りにされたりしてるんだけど人間は死なない。ぜんぜん残酷に感じない。理由は戦闘している身体が実体ではなく戦闘用の「トリガー体」だから。なので血もでなければ内蔵もでない。
こういう表現手法もあるのか。


・なんとなく「構想を説明してる感」でイマイチのりきれない

読んでて一番感じたのがコレ。
「いや…アレ…?構想、設定、キャラとかは面白いはずなのになんでだ…?」ってずっと想いながら読んでた。
世界観はカッチリしてるんだけど読んでて「うおおおお楽しいィヒィィ!!」って興奮があんまり湧き上がってこない。
あまりにもカッチリ、緻密すぎて、おまけに画もスッキリ綺麗すぎて、説明を1回頭の中で咀嚼してからマンガ描写を追うので、アクションとか画が止まって見えてしまう。「マンガ」として100%楽しめない。今んとこ。
セリフの説明と画の描写による説明の供給比率が噛み合ってないんだろうか、単に私のキャパが小さいからだろうか…。売れてるとこ見ると後者っぽいよな…。

「アニメのほうが面白いかも」と感じたのはそこが理由です。てか「私には」ワールドトリガーはアニメのほうが合ってるのかもね。




それにしてもいま週刊少年ジャンプ読む年代ってこの話全部把握できてんのかすげーな。
おいちゃん衰えを感じるよ。










2014年12月17日水曜日

力に翻弄されない”シンイチ”−岩明均「七夕の国」

「七夕の国」廉価版がコンビニにあったので衝動買い。
 たぶん私は岩明均のファンなんだと思う。


ちなみにコミックス版は1冊669円前後で全4巻、上記廉価版ムックは4巻ぶんが1冊にまとまってポッキリ1000円。

未読の方にさきに言っておくと、
このマンガは予備知識なにもなしで読んだほうがミステリ映画みたいに楽しめると思います。
買って損はないです。この先に書くあらすじ・ネタバレは読まないほうがいいです。
でも寄生獣の延長を期待していると肩透かしをくらうかも、といった感じ。







ーーーここからあらすじ・ネタバレありーーー







あらすじ

主人公は、物質にごく小さな丸い「穴」を開けることができる「超能力」をもつ大学4年制、南丸洋二(みなみまる ようじ)。「能力技能開発サークル」の部長をしているが、その大らかな性格のためか、就職も決まらず、サークルの後輩からもナメられる始末。

ある日通う大学の教授、丸神正美(まるかみ まさみ)がとつぜん失踪する。南丸は丸神のゼミ生2人と教授の助手で講師、江見 小百合(えみ さゆり)に呼ばれ、ともに丸神教授の行方を探すためA県丸川町を訪れることに。
実は、南丸はその地、「丸神の里」にだいだい伝わる能力を継ぐ者だった。里に伝わる能力は2種類。ひとつは、「手がとどく者」ー空間に丸い穴を空け、その質量分の物質をどこか別の次元へ削りとばす能力ー、もうひとつは「窓をひらく者」ー別の次元を見る能力ー。

南丸は能力の後継者として町民から手厚い歓迎を受ける一方で、町一番の能力者で「神官」であった頼之の失踪、教授の失踪についてなにかを隠そうとする不審な町民の態度、この能力にかかわる古くからの因習を知ることになる。そして外の世界で起こる頼之の力を使った「けずり魔」事件。
果たしてこの能力はいったい何なのか、だれがどうやって授けたのか。
南丸にとって、丸神にとって、この世界にとって、必要な力なのか?





ざくっと感想


・「能力に翻弄されないシンイチ」としての洋二
この「七夕の国」って寄生獣終了の翌年から始まった不定期連載(3年で完結)。
ストーリーは寄生獣同様SF、主人公まきこまれ型なんだけど、こっちの主人公ナンマルは寄生獣の新一に比べてどこまでの泰然自若でマイペース。
モチーフとして似通うところはあるけど、新一とは対照的に「力」に翻弄されない。どこまでも変わらずに「力」を「ツール」として、自分は何ができるか、を地に足つけて考えられる人。そしてその力をなくしても平気な人。
それがこのマンガの救いでもある。

・「窓」の設定が緻密
寄生獣の寄生生物の設定同様、この「窓」の能力と丸神の里の秘密は緻密にして精巧。
こういうの細かく考えれば考えるほどリアルさが増すのね~。


・「ひらく者」の能力が曖昧模糊
「窓にとどく者」の能力、つまり主人公ナンマルや丸神教授、頼之やヒロイン幸子の兄高志のもつ「窓=穴をつくる」能力の設定はミギー同様かなり緻密なぶん、「窓をひらく者」の能力がなんだか曖昧モコモコしてたのが気になった。
やっぱご先祖様(=宇宙人?)がこの土地を守るよう強制的に見せてきた抑止作用でFAなのかなあ。でもそれって能力なのか?

ラストで頼之が穴を「外ではなく玄関」と解釈して、自らが作った穴で「窓の外」に行ったことも含めて考えると、
窓の外=群れからの疎外、死、孤独、恐れ、未知、みたいなメタファーがあるんだろう。

・幸子ちゃんの設定がヒロインと思えないくらい暗すぎ
まあそんな暗い世界何度も何度も見せられて兄から虐待も受けてたら暗くもなるだろうけど、それにしても暗い。暗すぎる。
まるで寄生獣全体の暗さを幸子ちゃん一身で引き受けているような暗さやでぇ。

・「七夕」「力とツール」「因習」がモチーフ
このマンガで描かれているものの一つとして「力に翻弄される愚かさ」があると思う。
幸子の兄高志が力を利用して金儲けしていた詐欺セミナーとそれに通う人々とか、強制的に見せられる「窓の外」の夢におびえて、もう来るか来ないかもわからない「先祖(=宇宙人?)」の到来を待ち何百年も形骸的な祭りを絶やさない丸神の里の民とか。
そして頼之の能力を商業利用しようとする武器商人的なおっさんとか。

とくに丸神の里の能力者以外の者は、ことあるたびに会合しなければ何も決められない「愚衆」みたいに描かれてる。
ラストで浴衣姿の幸子ちゃんをバックに見える「丸神の祭り」の焚き火、あれは「もう中身があるかどうかわからない力、権威」に振り回され縛られても、それを拠り所にしないと生きていけない蒙民、そしてその因習は続くんだろう、ってメッセージかなあ。
鎖に繋がれて窓の外をみないほうが、何も考えない・変えないほうがラクだもんね。


関係ないけど因習とか丸神の民の封建的なウチ/ソト意識とか、私の住んでる田舎っぽいなあと思いました。




おまけ



278 :番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です:2013/02/08(金) 17:43:52.85 ID:Dg5GZckt0
この人の描く死体ってちゃんと死んでるから凄いただの切断された手とかじゃなく死んでることがわかる
どんだけ死体好きなんだろうな
寄生獣、ヒストリエの岩明均 半生を語る 【2chまとめ】ニュース速報嫌儲板


ほんとそう思う。冒頭の喜十郎の生首とかほんと死体のそれだもんな。
岩明先生どんだけ観察してるんだよ。


言葉ったらずですがこのへんで。

2014年12月15日月曜日

アニメ「寄生獣」途中経過の雑感


卯野です。さっと書き。
アニメ「寄生獣」11話までHuluで視聴だん。おもしろい。



「寄生獣 セイの格率 | 青い鳥」を視聴






今の時点で感じたことつらつらと


・ミギーの声に違和感
さいしょ女性の声優さん(平野綾さん)だったことにびっくりした。
マンガで読んでたときはもっと男性の紳士みたいなイメージだったなあ。9話くらいから違和感は感じなくなってきた。

・新一、里美の造形に違和感
最初みたとき「マンガとアニメは別ものだなこりゃ!」と思ったけど、転換点ともなる新一の母が殺されたあたりから違和感はなくなった。
新一が最初メガネかけてるのは、転換点での新一の変化をよりわかりやすく表現するためかな。

・寄生生物が動くシーンはステキ
なめらかな動きで違和感ない。しゃくしゃく斬ってて良い。


・肝心な見せ場はマンガに軍配
私は。たとえば11話までの時点で、
新一の母をのっとった寄生生物が母の顔で(無表情で)「なぜだ!殺したはずなのに!」っていうとこ
田宮良子が新一を見つけるとこ、「『この種を食い殺せ』だ!」って凄むとこ
新一が島田秀雄のことを考えながら鬼の形相でふりかえったら里美がいたとこ
里美が新一に「ごめんなさい ひとちがいでした」っていうとこ

あたりとか。挙げて思い出したけどこれらいずれも原作で背景なしの大コマなんだよね。


あと加奈が夢に観た新一だけめっちゃ原作に近かったのがちょっと笑った。


アニメはアニメで面白い

なんだかんだいいつつもアニメはアニメとしてすごく面白い。
面白いんだけど、原作マンガをまったく読んでない人がこのアニメを観たらどんな感じでみるのかなあというのも気になった。
原作読んでなかったほうがより楽しめたんじゃないかなあ。










2014年11月2日日曜日

さいきん読んだマンガ感想だよー東京喰種、僕だけがいない街、亜人

おいっすー。
今さらながら東京喰種(1~12巻)、僕だけがいない街(1~4巻)、亜人(1~4巻)の3作品を続けて読みました。
以下ざくっとあらすじ、感想。



東京喰種(1~12巻)




あらすじ:
人間を食うことで生きる「喰種=グール」の臓器を移植され、自らも「半喰種」となってしまった主人公・金木。
敵対する人間と喰種とのはざまで揺れ動きながら、金木は両者の共存の道をさぐる。

感想:
戦争とか紛争、マジョリティとマイノリティの話だなーと感じました。
喰種には喰種(マイノリティ)の世界と社会と正義がある。
それを最初に脅かし、十把一絡げに殲滅せしめんとするのは誰?
喰種の生態、赫子(かぐね)とか赫胞(せきほう)とか設定が非常に緻密で壮大な世界観。
善と悪の2つでわけられないものがある。

これ小説版でもおもしろいだろーな、ってか有馬貴将の武勇伝とかマンガだけじゃ描ききれないだろうなって思ったら小説版も出てるんですね。
21巻で第一部完になってる。
見どころは8巻あたりからのヤモリからの拷問によって第二形態()になった金木くん。ツンデレヒロイントーカちゃんの弟へ、おしおきとしてきっちり103本の骨を粉砕するシーンでは「あ、絶対こういう頭のいい努力家の文学青年怒らせんとこ(^v^)」と思いました。蝶形骨!!




僕だけがいない街(1~4巻)




  あらすじ:
人が死ぬ場面に違和感を感じ、その一瞬に時間を逆行させることができる漫画家志望の主人公・悟(さとる)。彼は自分の能力を「再上映(リバイバル)」を名づけている。彼には子供時代に同級生の女の子をたすけられなかったという心残りがあった。
ある日アパートに帰ると悟の母が何者かに刺殺されており、容疑をかけられた悟は警察に追われることになるーー。

感想:
4巻までの段階では、作者が何を一番に言いたいのかあんまよく分からない。
たぶん一番は「言葉と行動が未来の自分を決める」ってこと、かな?
プロット半分、アドリブ半分と作者本人もあとがきで描いてるので、作者自身楽しみながらこれから伏線がひとつひとつ見えて回収されていくのかな。
犯人は先生!(予想)
あと荒木飛呂彦先生のチーフアシで帯書いてもらったことでも賑わっていたけど、荒木先生のような濃ゆい作風の師匠のもとで学びながらも、自分独自の世界観と作風がしっかりあるのはスゲー!!と思いました。


亜人(1~4巻)




  あらすじ:
交通事故で死亡して、自分が人間を模した死なない生き物、「亜人」であることに気づいた医者志望の高校生。
報奨金ほしさの民間人や政府に狙われる中、主人公は同じく亜人の「佐藤」や「田中」と出会いながら気づいていく。
「亜人」の力が子供の頃から自分のそばにあったこと、自分自身「他者との関わりかた」にどこか欠陥があることにーー。


感想:
世界観やテーマは「東京喰種」と少し似ている感じですが、こちらはもうちょい設定がシンプルで、主人公の内的心情にも謎が多いかな。
痛みの描写もエグい。
亜人になる前から「他者に興味関心がない」共感能力がきわめて乏しいことを他人に悟られずに生きていけている主人公。
なぜ共感能力が欠如しているのか、今後それがどのように変わっていくのかも興味あり。
「どんな傷をおっても死ねばリセットされる」とはいえ痛覚はちゃんとある。だから他の大人の亜人でも自死するのを躊躇うんだけど、それを自分も他人も躊躇なく合理的に生き死にの天秤にかけられるのはやっぱりどっかヘンだよおっかさん。

あと絵柄や構図や話のつくりが「ARMS」「スプリガン」の皆川亮二先生にソックリだと感じました。
アシさんだったのかなと思って桜井画門先生のwikiみたら、影響は受けてるけどアシ経験はないみたい。三部けい先生とはまた別ですごい。



いずれも以下続巻。
ハッピーな漫画もお口直しに借りときゃよかったね…。






2014年9月21日日曜日

努力!友情!勝利!孤独!業!存在証明!!−渡辺航「弱虫ペダル」感想

弱虫ペダルは少年チャンピオンで連載されている「高校生ロードレース部」の群像を描くマンガ。
はっきりいってマンガとしてのコスパは非常に悪く、1巻に10分かからず読めてしまう。
ただそれはのめりこむように読ませてしまう「蠱惑」と「スピード感」がそこに描かれているから…!

という訳ではからずも2日で既刊35巻まで読破してしまったので、読みどころとあえてツッコミたい部分をザクっと残しておきます。


ざくっとあらすじ
千葉県立総北高等学校に入学した主人公・小野田坂道(おのだ さかみち)。千葉から秋葉原の往復90kmを夏休み中は毎日ママチャリで通うほどのアニメオタク。同じく1年で自転車部に入部したロードレースエリート・今泉俊輔(いまいずみしゅんすけ)にそのロードレーサー、特にクライマーとしての才能を見出され、坂道は自転車部に入ることに。
個性豊かな先輩・同級生たちと自転車の魅力にとりつかれ、その才能を開花させていく。




■読みどころ
・すべてのキャラがおコメのように立っている!
このマンガの主人公はいちおうメガネちびっこの小野田坂道くんですが、「自転車」という競技を通して自転車に魅入られた男たち全員にスポットライトがあたっています。
小野田くんの師匠となる3年の先輩「イレギュラー・クライマー」巻島から始まり、脇を固めるキャラクターひとりひとりの背景にきっちり自転車に魅入られるきっかけになったコンプレックスや挫折、苦悩の物語があって、「だから俺は自転車に魅入られてるんだ!」という説得力があって、登場人物の人数分ぶんだけ物語のおもしろさが増している。
ピンピンですよ!羽釜炊きのおコメのようにひとつぶひとつぶがピンピン立ってますよ!
むしろ脇キャラが濃すぎて小野田くんの背景が薄く感じるわ。


・1つのマンガに2つの作品を見てるような錯覚
とくに主人公の小野田坂道のいる総北のってパートと、
物語中盤から出てくる第一ヴィラン・キモーすj…御堂筋くんのパートでまったく別の作品。
例えるなら総北は「努力!友情!強調!」で、
御堂筋くんとこが「孤独!業!存在証明!」



でもこれどっちも「自転車」ていう特殊なスポーツの側面をよく表してます。
自転車競技は1校から6人出場できて、エースやスプリンター、クライマー、アシストなんてそれぞれに特色と役割があり、風よけなど協力しながら走るスポーツ。
でも基本的に自転車を漕ぐのはじぶんひとりで、優勝できるのは1位でゴールに入った人間ただひとり。

「勝つというのは独り」
「勝ちたいという業」
「勝ちでしかできない己の存在証明」

独りになっても他人を出し抜いても勝ちたい、という人間の業スポーツの業を御堂筋くんが化身としてよく表してくれてると思います。
光と影ではなく、この2つのあざないこそが自転車の蠱惑だと思います。
この御堂筋がいなかったら弱ペダの説得力と面白さちょうど半減だったな。

ここらへんスポーツ、とくにマラソンや野球のピッチャーなんか経験のある人はちょっとわかるんじゃないかな。


でもやっぱりキモい「人型兵器」キモー筋(エヴァに似てる)。

・リアル感と疾走感あるレース描写×マンガならではのAR表現
作者の渡辺先生がうまいな読ませるなーと思うのは、このあたり。
→最高時速70−80km/h出るというスポーツ「自転車」のスピード感、乗ってる側の体感を超リアルに描写してる
ほとんどがタテスジの効果線で「おおおおおおおおお」ってチャリンコこいでるコマなんですけど、自分も走ってる気になってどんどんページめくっちゃうんですよね。
とまんない。
これが35巻あっという間に読んじゃう理由。

→マンガならではのありえない誇張、AR表現
総北の3年スプリンター・田所が「さーーんそーー!!」っていいながら肺活量8500ccの肺に空気吸い込むとバウンて風船みたいに膨らむとか、
総北のライバル・箱根学園のクライマーで小野田くんのライバルになりそうなマナミくんは山登るときぶわさって翼が生えちゃうとか、



そういうマンガならではの「ありえない」表現が笑える一歩手前でおもしろいです。
ちゃんと自転車描写はおさえつつマンガとしてエンタメしててすげえ。


■あえてのツッコミ
・主人公が挫折知らずに勝ちすぎ
・ゴール前の競り合いでひっぱる→ワンパタ

自転車はほかのスポーツと比べ特別な競技だからって、まったくの初心者の小野田くんがいきなり1年でインハイ行っちゃったりそこで競り合って競り勝って優勝しちゃったり、「いくら少年マンガだからってないわー、そりゃないわー、」と正直思いましたね。
他のキャラはわりと丹念に描写してるのに小野田くんだけ挫折も苦悩もなくていきなり強くなってる孫悟空状態なのであまり感情移入できない。

あと「なにい!まさか奥の手を隠し持っていたとは!」
「なにい!テーピングで力を封じていただと!」
「ゴール前残り100m!どうするどうなる!!」のパターンがちょっと多いです。


そういう「さえない主人公が実はサイヤ人でBLEACH的に各キャラに異名と必殺技があって戦闘力がインフラ的にあがる」けど自転車描写がはんぱない娯楽マンガだと思って読んでもらえば間違いないですね!



kindleでもたのしめm
36巻は10月発売だ!


合わせて読みたい



鬼頭莫宏好きなので読みたいな。
鬼頭作品には珍しく(w)グロ、ブラクラなしのチャリまんが。


40から始めた作者のローロレースチャリ体験記。
体験にまさる快感はない。はい。


これも観たい。


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